インプラント治療を受けようと思ったとき、ドクターの「技術」を気にする人はたくさんいます。もちろん技術は重要ですが、ドクターも人間です。「どんなときでも100%の技術を発揮できる」と言い切れるドクターはいないでしょう。
そうだとするなら、治療を受ける側は「設備・システム」にも目を向けなければいけません。ドクターの技術を補完してくれ、インプラント治療の安全性を高めてくれるのが設備やシステムです。今回は、インプラント治療において重要な役割を果たす設備・システムについてご紹介しましょう。
より精密なインプラント治療のために
歯科用CT
インプラント治療にあたっては、肉眼では見えない顎の骨の厚さや神経・血管の位置関係を正確に把握することが大切です。これができていないまま手術に進むと、血管や神経を傷つけてしまうリスクもあります。
こういったリスクを回避するために用いられるのが、「歯科用CT」です。従来のレントゲンが被写体を平面的に捉えるのに対し、歯科用CTは立体的に捉えられるのが最大の特徴。歯科用CTを用いることでインプラント治療の3次元的なシミュレーションが可能になり、よりリスクが低く、精度が高い治療へとつながります。
サージカルガイド(ガイデッドサージェリー)
上述のとおり、歯科用CTを使えば精密なシミュレーションが可能です。その一方で、実際のインプラント手術はドクターの技術・経験に頼らざるを得ないところも多く、どうしてもミスが生じる余地はありました。そこで、歯科用CTによる精密なシミュレーションを、そのままインプラント治療に反映させるために登場したのが「サージカルガイド」です。
まず、CT撮影のデータをシミュレーションソフトで3次元化し、インプラントを埋入する位置・角度・深度を正確に割り出します。さらに、シミュレーションソフトから位置情報をマウスピース型の装置(サージカルガイド)にとり込みます。このサージカルガイドを患者様のお口に装着し、ガイドに沿って手術を行うことで、ほぼ誤差のないインプラント手術が可能になるのです。
より安全なインプラント治療のために
生体モニター
インプラント治療では、不安や恐怖を和らげるために「静脈内鎮静法」という麻酔を用いるケースが多くありますが、このとき、麻酔に対する反応には注意を払わなければいけません。患者様によっては、麻酔をすることで血圧や心拍数が大きく上下したり、アレルギーを起こしたりケースがあるからです。
このような麻酔時のリスクを回避するためには、「生体モニター」が必須です。生体モニターがあれば、脈拍・血圧・呼吸・心電図など、手術中の患者様の全身状態をリアルタイムで管理しながらインプラント治療が可能。万が一、体調に異常が現れた場合でも迅速に対応できます。