インプラント治療を検討している方のなかには、インプラントに寿命があることを知らない方もいるのではないでしょうか。
インプラントは日頃のケアやメンテナンス、材質によって寿命が異なります。
今回は、インプラントの寿命や長持ちさせる方法、寿命が尽きたときの対処法などを解説します。
インプラントの特徴を知ったうえで、治療後の付き合い方について把握しましょう。
目次
インプラントに寿命はあるのか
インプラントに寿命があることは確かですが、一般的に言われている寿命と国内外の調査に基づく寿命には差があります。
入れ歯やブリッジでおこなう治療法と比べた寿命の長さの違いや、インプラントが寿命を迎えるなどして使えなくなる原因について解説します。
インプラントの寿命
インプラントは半永久です。
メーカーによって材質は異なりますが、現在、主に使われている人工歯根はチタン製です。国内で普及してから30〜40年ほどと、まだ歳月が浅いため経過症例は不足しています。
日本歯科医学会厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」では、インプラントの寿命を以下の通りに発表しています。
<部分および全部欠損症例における10~15年の累積生存率>
・上あご: 90%ほど
・下あご: 94%ほど
<抜歯即時埋入や骨移植を伴った埋入における10~15年の累積生存率>
・ 全体:87~92%ほど
そのほかの海外の調査ではインプラントが40年ほど残存したケースも報告されており、半永久的な使用が可能であると言えるでしょう。
入れ歯やブリッジと
どちらが長い?
失った歯を補う治療方法として、インプラントのほかにも入れ歯やブリッジがありますが、まず、寿命に違いがあります。
・入れ歯:3~8年
・ブリッジ:7~8年
入れ歯の寿命は、入れ歯そのものの劣化ではありません。
両側にあるバネを左右の天然歯に引っかけるように装着するため、治療後にあごの骨が痩せてきたり、入れ歯を支える歯がダメになったりすると寿命を迎えます。
一方、失った歯の両側を削って支えにしてから人工歯を被せるブリッジは、装着したとしても取り外しが容易ではありません。
日々の歯磨きやメンテナンスで手入れが行き届きにくく、ブリッジ周辺の歯が虫歯になったり、歯周病になったりすることで寿命を迎えます。
入れ歯やブリッジは初期費用や治療費を抑えられます。
しかし、どうしても隣接歯に支えてもらわないと成立しないため、いずれ隣接歯が寿命を迎えると、入れ歯やブリッジで治療する箇所が増えていくことの繰り返しになるでしょう。
インプラントは自立型であり、隣接した歯の力を借りずに半永久的に使えるという大きな違いがあります。
インプラントが使えなくなる原因
インプラントが使えなくなる原因としては以下の2つが考えられます。
・インプラントの材質の劣化
・歯周病や虫歯などの口腔環境の悪化
インプラント治療では、あごの骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、上から結合部のアパッチメントと人口歯を被せて固定させます。
人工歯にはセラミックなどが使われますが、年月が経過すると劣化して見栄えが悪くなるほか、欠ける可能性もあります。
そのほかにも、歯周病や周辺の自然歯が虫歯になると、インプラント周囲炎を引き起こしかねません。
インプラント歯周炎になると、歯茎に炎症が起きてインプラントを支える骨が溶け出します。
最終的にはインプラントが脱落し、使えなくなります。
インプラントを長持ちさせるには
半永久的に使えるインプラントには、長持ちさせるコツがあります。
・日々のメンテナンスが大事
・歯軋り・食いしばることの対策
・なるべく禁煙
それぞれのコツについて詳しく解説します。
日々のメンテナンスが大事
インプラントは人工物のため虫歯になることはありませんが、歯周病やインプラント周囲炎にならないように日々のメンテナンスが重要です。
歯と歯の隙間には汚れが付着しやすいため、毎日のケアにデンタルフロスと歯間ブラシを使用してしっかりと除去しましょう。
インプラント治療後は、年に2回以上のメンテナンスを受けるように歯科医師からアドバイスをうけるでしょう。
自分では気づきにくいインプラント周囲炎になりかけた場合でも、定期的なメンテナンスをうけていれば症状を発見しやすく、改善への経過もスムーズにすみます。
また、メンテナンス時には不具合の箇所がないか、嚙み合わせなども合わせてチェックします。
インプラントは装着して完了ではなく、日々のメンテナンスと歯科医師の定期的なメンテナンスをうけ、口腔環境を維持する必要があります。
歯軋り・食いしばることの対策
歯軋りや食いしばる癖のある方は、インプラントが脱落する恐れがあるため注意が必要です。
インプラントはあごの骨に固定されていますが、あごに負担がかかる癖のある方の場合、慢性的な力が加わることで突如として脱落することも考えられます。
癖が治らない、無意識にやってしまうなどでお困りの方は、歯科医師と相談してマウスピースなどで対処する方法もありますので、遠慮なく相談しましょう。
なるべく禁煙
喫煙の習慣があるとインプラントが長持ちしにくいほか、治療が失敗しやすくなります。
タバコに含まれるニコチンなどが原因で、喫煙には以下のリスクが生じます。
・白血球の働きが阻害され感染リスクが高まる
・骨とインプラントが結合しにくくなる
・唾液の減少により歯周病にかかりやすくなる
喫煙するとインプラント治療が困難になるため治療前には禁煙する必要がありますが、治療後にも禁煙を継続し、インプラントの維持管理について考えていきます。
自分だけの力では難しい場合、禁煙外来などを受診することも視野に入れて治療をおこなうとよいでしょう。
インプラントの寿命が尽きたら
どうなるのか
インプラントが脱落し、寿命が尽きた場合には再手術が必要です。
脱落してしまってもそのまま放置はせず、歯科医師を受診しましょう。
痛みや他の歯への影響
神経の通っている自然歯とは違ってインプラントには神経が通っていませんが、治療部分の周辺の歯茎が痛み出すなど影響をおよぼす可能性があります。
違和感があったらそのままにせずに歯科医師を受診し、不具合の早期発見と治療をおこないましょう。
メンテナンスを
受けない場合のリスク
歯科医師が推奨するメンテナンスを受けない場合のリスクは以下の通りです。
・保証対象外になる
・高額な再手術が必要になる
インプラントの維持には、メンテナンスが必要不可欠です。
たとえば、土台のチタンが緩むほか、インプラントと歯茎の間に汚れが挟まっているなど、被せ物を外して確認しないと治療ができないケースもあります。
10年保証などは、定期的なメンテナンスを受けている方のみが対象です。
メンテナンスを受けていないことが原因で、歯周病やインプラント周囲炎が悪化して脱落に至った場合は、再手術になったとしても保証がきかなくなることがほとんどです。
結果として、高額な手術費用を請求されてしまう可能性もあるでしょう。
インプラント治療では、定期的なメンテナンスで管理していく必要があります。
万が一の事態に備えるためにも、歯科医院での定期的なメンテナンスを指示どおりにおこないましょう。
保証期間内なら
無料で対応されることも
一般的なインプラントの保証期間は5年から10年間です。
期間内であれば、欠損や脱落が起こっても無料で対応してもらえることがほとんどです。
保証期間に差があるのは、インプラントの材質によるものです。
一般的なインプラントは3ピースですが、中には2ピースのものもあり、構造が単純化すると寿命も短く設定されるでしょう。
インプラントの寿命が尽きた後、あごの骨に問題がなければ温存療法として再手術をおこないます。
しかし、インプラント周囲炎などが原因であごの骨が溶けてしまい、再手術不能となった場合では、インプラントの除去手術がおこなわれます。
この際の費用も定期的なメンテナンスをおこなっていれば、保証対象になるでしょう。
細かな保証内容は歯科医院によっても異なるため、治療前に確認することをおすすめします。
インプラントについてのご相談は
グラントウキョウ
スワン歯科・矯正歯科へ
インプラントは、半永久的な歯です。
セルフケアやメンテナンスをしっかりとおこなえば、寿命も長くなります。
口腔環境は年月が経過するごとに変化していきます。
インプラントと長期的に付き合うためには、治療技術のほかにも治療方針がわかりやすいか、相談しやすい歯科医師なのかを判断する必要があるでしょう。
グラントウキョウ スワン歯科・矯正歯科では、安心の10年保証システムを導入しています。
また、米国最大級の症例を誇るUCLA歯学部と情報を交換するなど、最先端の技術と情報、丁寧なカウンセリングで安心して治療をおこなえる体制を整えています。
インプラント治療に不安や疑問がある方や、他院で治療を断られてしまった方なども、ぜひ一度、グラントウキョウ スワン歯科・矯正歯科にご相談ください。