コラム COLUMN

知って得する!歯のコラム

希望と予算に合った歯の詰め物・被せ物の選び方とは?
種類と違いを徹底解説

「詰め物の種類がたくさんあってどれを選べばよいのかわからない」「自由診療のほうがきれいに仕上がると聞いたけれど、費用面も気になる」などで、お悩みの方もいることでしょう。
一度治療したら何年と使うものであるため、慎重に検討したい方も多いと言えます。

本記事では、虫歯治療時における歯の詰め物・被せ物の違いや、保険診療・自由診療で使用できる種類、特徴などを解説します。
保険診療で使用できる素材は限定的ですが、自由診療であれば治療方法の幅が広がり、耐久性や審美性が増します。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分が求める治療方法について考え、選択肢を絞り込みましょう。

詰め物、被せ物の基礎知識

詰め物と被せ物の違いやそれぞれの種類、特徴、選び方を解説します。

詰め物、被せ物の違いは?

詰め物と被せ物は治療方法によって次の通りに用途が異なります。

・詰め物:虫歯治療で開いた小さな穴を埋めるためのもの
・被せ物:虫歯治療で削った後に被せるためのもの

小さな虫歯であれば治療時の穴も小さいため、詰め物で対応できます。
しかし、進行した虫歯や複数ある虫歯を治療する際には、被せ物で対応しなければいけません。
虫歯は進行するごとに治療範囲や治療期間、治療費が多くなるため、早めの治療が肝心と言えるでしょう。

全部で何種類ある?

詰め物は主に5種類、被せ物は主に7種類あります。

<詰め物>
・コンポジットレジン
・金銀パラジウム合金
・ゴールド
・セラミック(E-MAX)
・ジルコニア

<被せ物>
・金銀パラジウム合金
・硬質レジン前装冠
・CAD/CAM
・セラミック(E-MAX)
・メタルボンド
・ジルコニア
・ゴールド

素材によって特徴が異なるため、メリット・デメリットについて把握し、自分に合った素材を選ぶ必要があります。

どうやって選ぶべき?

詰め物や被せ物によって異なる治療費や見た目、機能性、アレルギーの判断軸で、希望と予算に合わせて選択するとよいでしょう。
治療する歯の位置によって使用できる素材が決められているため、提示された選択肢の中から治療方法を選びましょう。

歯の詰め物・被せ物の種類と特徴

歯の詰め物や被せ物の種類と特徴について、保険適用と自由診療でそれぞれに解説します。

保険適用の詰め物・被せ物

保険適用ができる詰め物や被せ物には、次の種類があります。

・詰め物:コンポジットレジン、金銀パラジウム合金
・被せ物:金銀パラジウム合金、硬質レジン前装冠、CAD/CAM冠、チタン冠

詰め物に使用されるコンポジットレジンは、自然歯のような白い歯にすることが可能です。
大きいスペースに被せ物として使用する場合は、性質上咬み合わせ時に割れてしまう、もしくはすぐに外れてしまう恐れがありますが、小さく複雑な形を埋めるためには最適です。
樹脂を充填するように虫歯で開いた穴を塞ぐため、型取り作業がいらず、治療期間を短縮できます。
しかし、強度が弱く経年劣化による黄ばみが発生するデメリットがあります。

一方、金銀パラジウム合金は耐久性があり、被せ物にも対応できます。
しかし、目立ちやすいことや金属アレルギーを引き起こすリスクが懸念されます。

被せ物で使用される硬質レジン前装冠は、犬歯から犬歯まで(前歯と言われる箇所)の被せ物として保険適用可能です。
金属ベースで表面にレジンを加工しているため、目立ちにくい一方、変色しやすく透明感がないというデメリットもあります。

CAD/CAM冠は、コンピューターのソフトウエアを用いてつくる白い被せ物です。
レジンよりも強度があり割れにくいため、奥歯の被せ物として使われています。
金属アレルギーの方でも使用できますが、原則として前歯や小臼歯までと保険適応範囲が限定されている点には注意が必要です。

自由診療の詰め物・被せ物

自由診療の詰め物・被せ物には次の種類があります。

・詰め物:ゴールド、セラミック(E-MAX)、ジルコニア
・被せ物:セラミック(E-MAX)、メタルボンド、ジルコニア、ゴールド

ゴールドは天然歯と同程度の耐久性があります。
また、密着性もあるため、二次虫歯になるリスクを抑えられるでしょう。
同じ金属でも金銀パラジウム合金よりも人体に優しく、金属アレルギーを引き起こしにくい点もメリットです。
一方、ゴールドの色が目立ちやすいといったデメリットがあります。

セラミック(E-MAX)は通常のセラミックよりも耐久性が高く、天然歯に似た見た目の美しさを長期間保つことができます。
また、密着性も高く二次虫歯になりにくいです。
しかし、割れるリスクが0ではないこと、体質的に合わない方もいるのがデメリットです。

セラミックと比較されることの多いジルコニアは、人工ダイヤモンドと言われるほどに耐久性が高いため、奥歯に使用されることが多いです。
透明度も高いため、仕上がりがより天然歯に近づきます。
近年では、審美的な部分も向上しており、現在もっともポピュラーは素材の一つです。

被せ物にのみ使用されるメタルボンドは、内面には金属、表面にはセラミックが用いられます。
天然歯のように白色をしていますが、透明度は低いです。
金属アレルギーのリスクや、経年劣化で黒ずみが発生するデメリットがあります。

長く使うためのコツ

歯の詰め物は種類によって耐久性が異なり、寿命も異なります。
治療後も長くつかうためのコツや、万一取れてしまったときの対処法について解説します。

歯の詰め物、被せ物の寿命は?

歯の詰め物や被せ物の寿命は、種類によって次の通りに異なります。

・コンポジットレジン:2~3年
・銀歯:7年
・硬質レジン前装冠:2~3年
・CAD/CAM:2年
・ゴールド:10年以上
・セラミック(E-MAX)・ジルコニア:10~15年
・メタルボンド:8年

保険適用ができる歯の詰め物・被せ物は寿命が短い特徴があります。
しかし、一般的にかかる治療費は2,000~5,000円ほどであるため、一回の治療にかかる負担は少ないでしょう。
自由診療の場合は素材によって異なりますが、10年前後の寿命があります。
詰め物・被せ物の種類によって治療費は大きく異なり、3~10万円ほどかかるでしょう。

自由診療で使われる詰め物、被せ物の方が初期費用のかかるデメリットはありますが、寿命が長いためメンテナンス費用や再治療になってしまった場合の時間と費用がかかりにくいのがメリットと言えます。

長く使うためのコツ

歯の詰め物や被せ物を長く使うためのコツは次の通りです。

・高い技術力のある歯医者選び
・寿命が長い素材や二次虫歯になりにくい素材を選ぶ
・日々の丁寧な歯磨き
・定期健診を受ける

歯医者の技量でも完成度は異なります。
歯の詰め物や被せ物を長く使いたいのなら、治療する歯科医師の実績が豊富であるのか、選択肢を提示してくれて、一人ひとりに最適な治療をおこなってくれるのかも重要です。
また、経年劣化しやすい素材よりも長く使える素材や、2次虫歯になりにくい材料を選ぶとよいでしょう。
なぜなら、2次虫歯になると、自身の歯を再度削ることになります。
その場合、詰め物の範囲が大きくなったり、歯の神経を取ることになり詰め物が被せ物になってしまうこともあります。
歯の神経は栄養を歯に回すいわば「心臓」です。
出来ることであれば、神経を残した状態で治療を完了するのが望ましいと考えます。

日々の歯磨きで虫歯を予防し、定期検診を受けて虫歯の有無を確認するのも重要です。
歯の詰め物や被せ物によっても異なりますが、隙間があると二次虫歯になるリスクがあるからです。

虫歯ができたとしても初期のうちに治療してしまえば、詰め物や被せ物が突然取れて再度治療が必要になることも少なくなるでしょう。

取れた時はどうする?

歯の詰め物や被せ物がとれてしまったら放置せず、すぐ歯医者を受診しましょう。
食事中は反対側の歯で噛むようにし、丁寧なブラッシングを心がけ受診を待ちます。

詰め物や被せ物が外れる原因は劣化のほかにも、二次虫歯ができたり、治療時に削り切れなかった虫歯が進行してしまったりする可能性もあります。
また、噛み合わせのバランスが崩れていることのほか、歯ぎしりなどで負荷がかかることでも取れる可能性があります。

一次的な負荷で外れてしまった詰め物や被せ物は、歯医者で治療する際にそのまま使えることもあるため保管しておきましょう。
一方で、虫歯や詰め物、被せ物の劣化、嚙み合わせの変化で取れた場合は、新しく作り替える必要があるでしょう。

虫歯治療についてのご相談は
グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科へ

虫歯治療で使われる詰め物や被せ物には種類があり、保険診療でできるものと自由診療でしか使用できないものがあります。
自由診療で使われる詰め物や被せ物のほうが治療費はかかりますが、耐久性・審美性など品質に優れていると言えるでしょう。

虫歯の箇所によっても治療の選択肢は限られます。
どのような詰め物や被せ物が使用できるのかを知り、メリット・デメリットについて歯科医師と相談しながら、自分にあった治療方法を検討しましょう。

グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科では、高性能な医療機器による的確な診断のもと、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案しています。
虫歯治療についてのご相談はお口の悩みのトータルサポートを提供する、グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科までご相談ください。