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歯周病は治る?治らない?|歯周病にかかったときの正しい対処法や予防法を解説

「「歯周病と言われたけれど、通院が長引いている」「早く治すために自分でもできることはないのだろうか」など、歯周病で悩む方は少なくありません。
歯周病にかかった場合は、歯科医院での治療やセルフケアで炎症を鎮めることが重要です。本記事では、歯周病にかかったときの正しい対処法や予防法を解説します。歯周基本治療とセルフケアで、歯周病を改善させましょう。

歯周病は治る?自宅で治療は可能?

歯周病は治るものなのか、自宅でできる治療と歯周病の初期症状、セルフチェックの方法をあわせて解説します。

歯周病は治るもの?

歯周病になると、元の状態には戻りません。
しかし、適切な治療やセルフケアで炎症をなくすことはできます。
そもそも、歯周病とは、ネバネバとした「歯垢(プラーク)」内の歯周病菌によって起こる感染症です。 感染症の原因となる歯石(プラーク)を除去すれば、炎症の緩和は可能です。

歯周病は幅広い年代の方がかかる病気です。
厚生労働省の「歯周疾患の有病状況」によると、45歳以上の2人に1人が歯周病にかかっていると発表されています。
初期では自覚症状が乏しいため、知らない間に症状が進行してしまうケースも多いです。

自宅でも治療できる?

歯周病にかかったら自宅での治療は難しいと言えるでしょう。
歯周病を治すためには、歯科医院で根本的に治療する必要があるからです。
ただし、自宅でおこなう適切なブラッシングなどのセルフケアで、症状の改善は可能です。
症状が進行する前の口腔内のトラブルに気づいた段階で、歯科医院でチェックをうけることをおすすめします。

歯周病の初期症状とセルフチェック

自分の歯茎の症状が歯周病の初期症状なのかをチェックするポイントは、次の通りです。

・歯みがきのときに出血する
・歯茎がむずがゆくなる
・歯茎が下がってきた
・歯に食べカスが挟まりやすくなってきた
・歯がしみる
・硬いものが噛みにくい
・口臭が気になる

上記のチェックポイントにいくつか当てはまる場合、歯周病である可能性が高いです。 初期症状として痛みはなく、歯茎が赤くはれる程度であるため、歯周病だと気づきにくいでしょう。

歯周病にかかったら。具体的な治療方法

歯そもそもなぜ歯周病になるのか、進行させる因子や進行過程、症状に合わせた適切な治療方法について解説します。

歯周病の原因は?進行させる因子も解説

歯周病の原因は、歯磨き不足による歯垢(プラーク)の蓄積によって起こります。
大人の口腔内にある細菌は300〜700種類あり、歯をよく磨く人であれば、1,000〜2,000億個、歯をほとんど磨かない人では1兆個もの細菌が生息するとされます。

歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の間にある歯周ポケットと呼ばれる溝が深くなります。 歯垢が溜まるほどに歯周病菌も増殖するのが、歯周病が進行する原因です。 歯垢は2日で歯石(プラーク)になると言われています。 そのため、蓄積する前にセルフケアで取り除く必要があると言えるでしょう。

歯周病の進行過程

歯周病は初期・中等度・重症と進行していきます。 進行程度の見極め方は、歯周ポケットの深さで判断します。

・初期:2~5mm
・中等度:5~7mm
・重症:7mm以上

初期では、歯と歯茎の間の溝が通常より深くなるほか、歯茎が薄ピンクから赤色に変化します。
中等度になると、歯を支える歯槽骨が半分ほどまでダメージをうけます。
歯が浮く感じがしたり、硬いものが食べにくくなったりと、飲食時に不快感があるでしょう。
重症になると、歯槽骨の3分の2以上がダメージをうけるため、歯のぐらつきが酷くなります。
食事が困難になったり、口腔内が出血したりする恐れもあります。
歯肉炎となり歯茎が下がると、露出した歯の根元が虫歯になるリスクも高まるでしょう。

進行過程に合わせた適切な治療方法

軽い炎症が歯茎に起こっている歯周病の初期段階では、次の治療をおこないます。

・スケーリングで歯石(歯肉縁上歯石)を除去
・セルフケアで丁寧なブラッシング(セルフケア)

歯石(プラーク)とは歯垢が石灰化したもので、ざらつきがあり汚れが付着しやすいです。
歯周病菌が繁殖しにくいようにスケーリングで歯石(プラーク)を除去し、表面をなだらかにする必要があります。
症状が軽度であれば、歯石(プラーク)の除去とセルフケアで症状の改善が見込めるでしょう。

中等度から重症になると、次の治療方法もあわせておこないます。

・SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
・歯周外科治療

SRPとは、歯茎の下の歯石(歯肉縁下歯石)の表面をなめらかにする治療法です。
スケーリングでもとれないざらつきを除去することで、歯周病菌の付着を抑制します。
歯周ポケットの深くに治療器具を入れる必要があるため、痛みが出る恐れがあります。
麻酔も使用した治療になるでしょう。

ここまでの治療が終了すると再評価をおこないます。
改善がはかれない場合、次の歯周外科手術に移行します。

・プラップ手術:メスで歯茎を切開しSRPをおこなう
・歯周組織再生治療:歯を支える骨を再生する

フラップ手術は、歯の表面だけではなく歯茎の下にある歯石(プラーク)を除去するためにおこないます。
歯周病が重症化して歯を支える骨が溶けてしまったときは、人工膜やタンパク質などを用いて組織を再生する治療をおこなうケースもあるでしょう。
状況に応じて治療の可否が異なるため、歯科医師と相談しながら進めていきます。

歯周病治療で炎症が落ち着いたら、口腔機能回復治療がはじまります。
歯周病により失った咬合・咀嚼・審美・発音機能などの口腔機能を取り戻すため、状態によっては矯正治療やインプラント治療もおこなうでしょう。

歯周組織となる歯槽骨はダメージを受けると元に戻らないため、早期に進行を食い止めることが重要です。 治療後は定期的な検診でメンテナンスをし、歯垢(プラーク)の除去や歯茎に炎症がないかを確認します。 それとともに、適切なセルフケアで口腔環境を維持していきましょう。

炎症をなくすための治療期間、歯の健康を保つためにできること

歯周病の炎症をなくすために必要な治療期間や自分でできるセルフケア、歯周病の予防方法について解説します。

治療期間

歯周病の進行程度別の治療期間は、次の通りです。

・初期の場合:1~3ヶ月ほど
・中等度の場合:3~6ヶ月ほど
・重症の場合:6ヶ月~2年ほど

中等度の歯周病の治療でおこなうSPRは数回にわけておこなうため、治療期間も長くなる傾向です。
重症の場合はさらに時間が必要です。
矯正治療やインプラント治療をおこなうケースでは、最大で2年ほどの治療期間となるでしょう。

歯周病が悪化すると、麻酔をしながら回数を分けての治療でないと、身体にも負担がかかるため通院回数が増えます。 そのほかにも、治療に必要な費用が多くかかることも把握しておきましょう。

治療期間

歯周病の炎症をなくすために必要な治療期間や自分でできるセルフケア、歯周病の予防方法について解説します。

自分でできるセルフケア

自分でできるセルフケアは、適切なブラッシングでプラークコントロールをすることです。
適切なブラッシングとは次の通りです。

・歯に対して90度または45度に歯ブラシをあてる
・細かく振動させるように動かす

歯ブラシのほか、歯間ブラシやフロスも使い、効果的に歯垢(プラーク)を除去しましょう。
毎日歯を磨いていても十分でない場合、ブラッシングでしっかりと歯垢(プラーク)を除去できていない可能性があります。
歯科医院でブラッシング指導をうけ、自宅で実践しましょう。

歯周病の予防方法

歯周病を予防するためには、セルフケアとプロフェッショナルケアの抱き合わせが重要です。 セルフケアで落としきれなかった汚れや蓄積した汚れは、歯科医院でおこなう定期的なメンテナンスで取り除きましょう。

また、口腔内のメンテナンスだけではなく普段の食事にも気を付けるとよいでしょう。
歯周病の原因となる歯周病菌は、糖分の多い食べ物や柔らかい食べ物を摂取するほか、間食や就寝前の食事で増殖しやすいです。
食べ物や食べるタイミングに気を付けましょう。
食事の際にはよく噛むこともポイントです。
よく噛むことで唾液が多く分泌され、口腔内の食べカスが留まりにくくなるでしょう。

歯科矯正についてのご相談はグラントウキョウスワン歯科・矯正歯科へ

歯周病によってダメージを受けた歯周組織は、元に戻ることはありません。
歯周病基本治療をうけ、適切なセルフケアで対処し、再発しないように予防しましょう。
食生活に気を付けることも大切です。
グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科では、「Care システム」を整備しています。
歯科医師・歯科衛生士によるブラッシング指導やホームケアのアドバイスなど、患者様の口腔内環境のトータルサポートを提供しています。
お口のトラブルに関するお悩みは、グランスワントウキョウスワン歯科まで、お気軽にご相談ください。